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British Evening with Tomo ちゃん vol.2 ☆

Tomo ちゃんとBritish Evening 第二弾を開催いたしました。
ホントは「次は11 月ネ! 」なんて言っていたのですが、11 月の2 週目から3 週目にかけて私が体調を崩し、続いてTomo ちゃんも体調を崩し。。で、今回に至った次第。
そのうえ、今週、私が思いのほかバタバタと忙しく、メールのやりとりもままならないまま、待ち合わせの時間も今日の今日決まりました的な感じで。。
こういう、ザックリな約束が許されるのも、Tomo ちゃんとならでは。ありがたき限り♫

まずはショッピングをしてTomo ちゃんのお宅へ直行。
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バスっち、お邪魔させていただいております。。
愛犬バズっちも慣れてくれたようで、リラックスムード。

今週中、私が残業続きで疲れていると気遣ってくれたのでしょう、ランチはTomo ちゃんが野菜たっぷりのおうどんを用意してくれていました。
じゃ写メを。。と思ったら激しく拒絶されたので、画像はナシ。(撮り忘れたんじゃないよ! )
お味噌仕立てで、お野菜からの出汁もしっかり、美味しくいただきました☆


今回のお料理は予告通り、チキン& マシュルーム・パイ(Chicken and Mushroom Pie )
コテジ・パイに続き、やはりパブ飯の定番のひとつですが、ちゃんと作るととても手間と時間がかかるので、パブでこれと同じものが提供されることはまずないでしょう。でもこっちの方が比較にならないくらい美味しいので頑張りましょう!


まずはペイストリー作り。このパイに使うのはフレイキー・ペイストリー(Flaky Pastry )でイギリスのクラシックな基本のペイストリーのひとつ。結構手間がかかります。
材料は小麦粉、塩、バター、ラード、そして水。

イギリスの基本的なペイストリーは、クラシックなレシピではバターとラードの半々で作られます。このフレイキーに限らず、ショート・クラストもラフ・パフも元々はバターとラードで作られるんです。今では殆どのレシピではバターだけなので、Tomo ちゃんももれなく驚かれていました。
でもね、ラードを入れるとバターほど風味が強すぎず、しかもパイの口当たりや口解けがハラハラ。。っと優しく軽やかになるんです。もちろん臭みなども一切ありませーん☺
ちなみに、パンにラードを少し入れるとクラムがふんわりするんです。これ、ホントよ。

最初に粉と塩を合わせて篩い、バターの半量をrub-in 。水を加えて気持ちドライ気味のドウを作ります。それを細長い四角(これ、大事!! )にroll-out して、生地の表面の2/3 にラードの半量を点々と(フレイク状に)置いていきます。
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フレイク状に油脂を載せる。。それがフレイキー・ペイストリーと呼ばれる所以。
2/3 に万遍なく載せたら、ラードの載っていない1/3 を折り、次にラードの載っている1/3 を折って三折りにして90度回転させてまた細長い四角にroll out 。
今度は残っている半量のバターを、生地の表面の2/3 に点々と載せていきます。
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さっきと同じように三折りにして90 度回転させて細長い四角にroll-out 、残りの半量のラードを点々して三折りして90 度回転させて細長い四角にroll-out 、最後は何も載せずただ三折りにしてからラップで包み、最低20 分冷蔵庫で寝かせます。

これ、ひとりでやると結構な手間なので、私はこの時点でかなり満足してしまい、生地を寝かせっぱで意気消沈、そのままカビさせた経験アリ!! なんですよね。。(一応小声。)

さ。これさえできればもうこっちのもの。続いてはフィリング作りですが、これはパパッとできちゃいます。
バターでベーコン(またはハム)を炒めて味出しをし、玉ねぎ、マシュルームをしんなりとするまで炒めてボウルに移します。
そこに大きめの一口大に切って、塩・胡椒を混ぜた小麦粉を塗した鶏肉、ハーブ類(今回はパセリとタイム)も入れて良く混ぜ合わせます。
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鶏肉とハーブを、玉ねぎを炒めた鍋に入れないのは、パイにしてから焼いて火を通すので、火を通す必要がないことと、パイ生地を載せるのにアツアツでは生地がダレてしまうので、キレイなレイヤーのパイにするために冷ましたいから。

フィリングが良く混ざって粗熱が取れたら、パイ・ディッシュに入れましょう♫

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パイ・ディッシュの真ん中に鎮座しておられるのは、Pie Bird という鳥さん。
パイを焼いている間、生地の中の蒸気を逃がして、パイ生地がしんなりしたりパイ生地の隙間から中の汁が吹きこぼれたりしないようにする便利グッズ。
この子は鳥さんなのでPie Bird と呼ばれますが、いろんな形があり、総称したものはPie Funnel 、Pie Chimney と、これまた呼び方がいくつかあります。パイは焼かないけど、集めてます! というコレクターも。

フィリングは平らにならすのではなく、なるべく中高にこんもりさせるのがイギリス流。
伝統的には、この鳥さんの肩が隠れるくらいまでフィリングを詰めたいところですが。。ま、その分早く焼きあがるからいいでしょ。そんなに作ると6 人分くらいになっちゃう。(3 人しかいないのに。。)
それからパイ・ディッシュの七分目くらいまで水を注ぎ、焼いている間にdry-out してフィリングが焦げ付くのを防ぎます。
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パイ・ディッシュの淵に小麦粉を水で溶いた糊を塗り、パイ生地のストリップを張ってから生地をかぶせ、knock-back し、scallops をつけて。このscallops は飾りのためだけにつけるのではありません。

イギリスでは、本来はstarchy なもので表面が覆われているものがパイの定義。
だから切らないと中身がわかりません。そこで重要になるのがこのscallops 。小さいのは甘いパイ、大きいのはお料理という決まりがあるので、切らなくても食事用かデザート用かがわかるようになっているんです。

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成形できたらもう一度冷蔵庫で
20 ~30 分、生地を締めます。
そしてオーブンに入れる直前に
表面にミルクを塗って。

溶き卵ではなくミルクを塗るのは
焼き色をつけず、マットに焼き
上げるため。







パイに限らずビスケットでもスコーンでも、どちらかというと白々とマットに焼き上げるのがイギリス流。それが最も顕著なのがショート・ブレッド。
ちなみに色よく艶々に焼き上げるのはフランス流です。


付け合せのベジ2 種はPetits Pois a la Francaise とCarottes Vichy 。

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イギリス料理とか言って、実は英仏折衷だったりして。(だって、イギリスの付け合せって言ったら、ただの茹で野菜になっちゃうんだもん。。それじゃああんまりでしょ。)
パイに手間がかかったので、付け合せは、チョー簡単なもの。でもそうは思えないくらい美味しいんですよー、これが!!

パイ、焼きあがり~☆ 今回の量で、だいたい1 時間半くらいで焼き上げました。

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今までで、一番上手な焼き上がりかもよ。
scallops もきれいに形を残しているし、吹きこぼれも全くない。。Pie Bird くんのおかげ?? やっぱ、すごいんだね、Pie Bird。。

お皿に盛って、熱々をどうぞ♫
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お友達とディナーの約束があるからいらない、と言っていたTomo ちゃんの相方さん。これ見て、匂いを嗅いだら、「やっぱりちょっと食べたい」と。。

     Tomo ちゃん  - ちょっとでいいんでしょ?
     相方さん   - ...(無言。。)

てなワケで、これからディナーにもかかわらずフル・ポーションお召し上がり~♫
全部食べてくれたのは嬉しいけど、このあとのディナー、大丈夫なのかな。。


デザートはプディング・クラブの元カリスマ・ペイストリー・シェフ、Tomo ちゃん作のジャム・ローリー・ポーリー(Jam Roly-Poly )

こちらもとてもクラシックなプディングで、特徴はスエット・クラストというペイストリーを使うこと。
レシピはショート・クラストと同配合で、油脂がまんまスエットに代わり、水じゃなくてミルクで纏める。。 ― のですが、家に帰って私のレシピ・ブックを見たら、ミルクじゃなくて水になってました。もともとは水だったのかもね。

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作り方は、こちらも簡単。
粉 + B.P. + 塩を篩い、そこにスエットを入れて混ぜ、ミルクで纏めたら、薄くroll out 。ラズベリー・ジャムを全体に塗り広げたら、手前からクルクルと巻き上げます。さすがTomo ちゃん、手際が良くて眼にも留まらぬ早さで一丁あがり~☆
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ベイキング・シートとアルミホイルで包んで(本来は蒸し器で蒸すのですが、まっすぐ容れられるほど大きなお鍋がないので)bain-marie に。Tomo ちゃんもバン・マリーにするのは初めてだとか。どうなるか、ワクワク☆

焼き上がりは ― プディング素人の私にはきれいな焼き上がりに見えますが。。
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上から押さえてみては、しきりに「固い、固い」とのたまうTomo ちゃん。
むにゅってしたし、固く ...ないよ。ね、バズっち。

プディング自体はとてもリーンでシンプルなのでカスタード・ソースを添えます。
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イギリスの国民的カスタード・ソース(の素)、Bird's Custard Sauce を箱に書かれているレシピ通りに作ってくれました。
私はその「国民的カスタード」を、イギリスにいた頃は食べたことがなかったんです。(だって料理学校に通ってたから。インスタントはあまり食べなかったデスよ。)
これは卵アレルギーの奥さまに、『アレルギーが出なくて美味しいカスタードを食べさせてあげたい』とご主人のAlfred Bird 氏が開発した、愛の溢れるカスタードの素なのです。
そのため卵成分を含まないので、お味がややチープなのですが、それがまたいいんだよね~

ローリー・ポーリーをカットすると綺麗な渦巻き。香ばしい香りで美味しそう!
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それでもTomo ちゃんはイマイチ納得がいかないご様子。私は初体験なので何がどうイマイチなのかわかりませんが、焼いただけあってクラストもできてて端っこフェチには堪りません~

カスタード・ソースとラズベリー・ソースをかけて。

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蒸したのではないので、確かにやや
ドライではありますが、いただく
直前にお水をくぐらせてレンチン
しているので、気持ちむちっと
しています。
ソースかけるし、ドライな感じも
特に気にはなりません。

美味しくてペロリ。


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   ってことで、はい、おかわり!!
   強いて言えば、もうちょっと
   甘くても良かったんだけどね、
   私は。。




はぁ~。。チョーお腹いっぱい。そう言えば前回も、その翌日はリンゴしか食べられないくらい食べ過ぎちゃったんだった。私の場合、甘いものでもかなり美味しくないと別腹じゃないんだけど、Tomo ちゃんのプディングは無理にでもおかわりせずにはいられない。。☆

ちなみに。
Tomo ちゃんの相方さん、このプディングも召し上がってからディナーへとお出かけになりました。 ...本当に大丈夫。。??


Tomo ちゃんと一緒だと 面倒くさい 手間のかかるペイストリー作りも楽しいし、後片付けも楽しい。よく考えるとお昼から約8 時間もいるのに、あっという間で時間がいくらあっても足りない。

今週はちょっと遅くまで残業になる日が続き、ホントは今日は朝寝坊したいなー。。なんて思ったのですが、Tomo ちゃんと一緒に過ごすとなんだか元気になるような。気持ちも頭もスッキリして、ヘタに家でダラダラ休んでいるより100 倍リフレッシュ。Tomo ちゃん自身に癒し効果があるのかも~❤


帰り際に次回のメニューも決めて、目指すは来月。
...なのですが、いつかまたチキン・パイ、リベンジで一緒に作らせてください!!
今日は私が超グダグダで、ペイストリーの計量を間違え、途中で無理矢理修正したのでちょっと納得がいってない。& うっかり私がやっちゃったけど、knock-back もscallops もTomo ちゃんにやってもらわなきゃダメだったんじゃん。。
美味しいは美味しかったけど、反省が多過ぎなので、また是非、お願いします。

                ☆ ~ ☆ ~ ☆

『ねえねえ、お腹いっぱいになったんだから、もうそろそろいいでしょ? 』
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普段ならとっくに夜のお散歩が済んでいるはずのバズっち、Tomo ちゃんに一生懸命アイ・コンタクトしてます。
『ね、ほら、ちゃんと見てるでしょ、見てるでしょ。。』
ごめんね、バズっち。いつもお散歩の時間が押しちゃって。でも一緒に遊んであげてるんだから許してね。 ...って、もしかして『遊んであげてるのは僕のほう』なんて思ってる!?


by k_satosann | 2013-12-07 23:43 | つくるもの
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